top of page

乳がん術後の腕のつっぱり感をやわらげる簡単ストレッチ

  • info3408915
  • 10月29日
  • 読了時間: 3分

① はじめに:術後の「つっぱり感」に悩む方へ

乳がんの手術後、時間が経っても「腕を伸ばすと痛い」「つっぱって服を着づらい」と感じる方は多いです。それは、手術の影響で皮膚や筋肉が硬くなっているから。

大切なのは「我慢して動かす」ではなく、「やさしく動かし続ける」こと。

少しずつ伸ばすことで、硬くなった組織や筋肉がゆるみ、動きが戻っていきます。



② なぜ腕がつっぱるのか

手術や放射線治療で、胸やわきの皮膚・筋肉・筋膜が一度固くなります。また、痛みを避けようとして動かさなくなると、筋肉や関節が縮こまったまま。これが「つっぱり感」や「動かしづらさ」を強くします。特にリンパ節を取る手術が入ったり、放射線治療を受けられた方は、リンパ液の流れが滞ってむくみが出ることもあり、余計に腕が重く感じることもあります。


③ 自宅でできるやさしいストレッチ3選


1. 寝転んで胸の前側の筋肉を伸ばしす


目的: 胸の筋肉(大胸筋)をやさしく伸ばす。


方法:

  1. 手術した側の腕が上になるよに横向きになる。

  2. 手術した側の腕を反対の床につく。腕の位置は無理のない位置に調整。

  3. 痛くない範囲で10〜15秒キープ。呼吸を止めずに行う。

  4. ※ 腕の高さをお尻側へ下げると、よりやさしく伸ばせます。



ree


2. 肩回しストレッチ


目的: 肩甲骨の動きを取り戻す。


方法:

  1. 椅子に腰掛けて両手を肩に軽く添える。

  2. 肩甲骨から動かすイメージで肩回しを行う。

  3. 前後方向に10回ずつ動かす。



ree



3. 呼吸で胸周りを柔らかく


目的: 肋骨や胸周りの柔軟性アップ。


方法:

  1. 両手を軽く肋骨の所に添える。

  2. 鼻から息を吸って、口から細く長く吐く。これを繰り返す。

  3. 胸やお腹が大きく動いているのを感じる。




ree


④ 無理せず続けるコツ

「気持ちいい」と感じるところで止めること。

呼吸を止めない。吸うときに伸ばす、吐くときにゆるめる。

一度に長くやるより、1日2〜3回に分けて行う方が効果的。・痛みが強くなる、腫れや熱感が出る場合はすぐ中止し、専門家へ。


⑤ 専門家と一緒に整える安心感

自分でできるストレッチも大切ですが、動かし方のクセや姿勢の歪みが原因になっていることもあります。当ジムでは、乳がん術後リハビリに詳しい理学療法士が、一人ひとりの状態を確認しながら、無理のない運動をサポートしています。医師や看護師とも連携しているので、治療中の方でも安心してご相談いただけます。


🕊まとめ

腕のつっぱり感は、焦らず、少しずつ動かすことで必ず変わっていきます。体をいたわりながら、できることから始めてみてください。もし「自分の動かし方が合っているか不安」「一人だと続かない」と感じたときは、専門家と一緒に整える時間を持つのもおすすめです。


福岡県糟屋郡新宮町 乳腺外科クリニック併設 「予防スタジオヒポクラベース」 

理学療法士 田中啓一郎

 
 
 

最新記事

すべて表示
理学療法士が乳がん術後の方に、病院の外で運動を届ける理由

病院で感じた“限界” 九州がんセンターで理学療法士として勤務していた頃、乳がん術後の方のリハビリも担当していました。しかし入院期間が短くなっている今、リハビリできるのはわずか1〜2日。痛みや腕のつっぱりが残ったまま退院される方も多く、退院後の生活で困っているという声をよく耳にしました。 本当に寄り添いたい場所 病院でのリハビリも大切ですが、僕がもっと力になりたかったのは「退院後に、日常生活の中で困

 
 
 

コメント


bottom of page